ガス不足が叫ばれる中、気になるのがプロパンガス。日本では都市ガスとプロパンガスの家庭シェアは概ね半々と言われていますが、プロパンガスも節ガスの必要があるのか、解説します。
結論:LPガスは節ガスの必要性が高くはない

結論を先に述べると、プロパンガスは都市ガスと比べて節ガスの必要性は高くはないと言えます。CO2排出量などエコや節約の観点からは「節ガス」した方がよいに越したことはないと言えますが、ガス不足緩和のために節ガスする必要性は高くはありません。
以下、そう言える理由を解説します。
プロパンガスと都市ガスの違い
日本ではプロパンガスと都市ガスのシェアが家庭では概ね「半々」となっていますが、実はプロパンガスと都市ガスは性質が全くことなるものです。
都市ガス | プロパンガス | |
---|---|---|
主原料 | 液化天然ガス (メタンガス) | 液化石油ガス (プロパン、ブタンなど) |
重さ | 空気より軽い | 空気より重い |
都市ガスをボンベに詰めたものをプロパンガス(LPガス)だと思っている人も少なく無いと思いますが、実際には主原料からして「別物」と言えるのが都市ガスとプロパンガスです。
不足感が強いのは天然ガス
ロシア情勢をふまえて世界で争奪戦に
2022年現在、ロシア情勢の影響を受けて天然ガスが世界中で争奪戦となっています。これまで特に欧州では天然ガスをロシアからの輸入に頼る国が多く存在していました。ですがロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアからの調達を控える動きや、逆にロシアが消費国への輸出を削減する動きを見せており、代替調達の動きが加速しています。
日本も天然ガスの輸入量の10%弱をロシアに依存しており、輸入が途絶えることでガス不足に陥ることが危惧されている状況です。
プロパンガスの原料のロシア依存度は低い
液化天然ガス(LNG)では10%弱を占めるロシア依存度ですが、プロパンガスの原料である液化石油ガス(LPG)については上表のとおり、ロシア依存度は「皆無」と言える状況です。
世界のエネルギー供給自体が不安定化しているため、他のエネルギー産出国でのトラブルの影響を受ける可能性も否定できないため「リスクが無い」と言い切ることは出来ませんが、プロパンガスは都市ガスほど「ガス不足」の懸念が高くはないと結論づけることが出来ます。
ガス料金の高騰は継続中
ガス不足の直接的な影響が少ないと言えるプロパンガスですが、国際的な資源価格高騰の影響を受けて月々のガス料金は高騰を続けています。
プロパンガスの場合、利用するガス会社によって大きく料金が異なる場合があるため、ガス会社を変更することで料金を大幅に引き下げられることがあります。戸建て・持ち家にお住まいの方は以下の記事を参考にガス会社の変更を検討してみてください(賃貸の場合はガス会社の変更は難しい)