マネーフォワード電気の「ガス」の現状を解説
マネーフォワード電気の「ガス」の現状を、電力・ガス自由化の専門家としてこれまでに多数のメディア取材を受けてきた私が分かりやすく解説。マネフォ電気と一緒に契約すべきガス会社も紹介します。
目次
マネーフォワードのガスはまだ無い
マネーフォワードガスは無い
現在、マネーフォワードはガスの販売を行っていません。「マネーフォワード固定費の見直し」というサービス名で電気を提供していますが、ガスの販売はありません。
ちなみに、マネーフォワード電気の供給元である神戸の中堅新電力シン・エナジーもガスの販売を行っていません。
セット契約・割引も無し
電気を販売している他社では、べつの会社のガスとの「セット割引」を提供している例があります。マネーフォワードについては他社のガスとの提携も今のところ無い状況です。
マネーフォワードは「ガス」については完全にノータッチと言えます。
マネーフォワード電気と一緒に契約すべきガスは?
では、マネーフォワード電気と一緒に契約すべきガス会社は無いのか。ガス自由化の現状をふまえて解説します。
ガスだけで安くなるガス会社がおすすめ
新規参入のガス会社の多くは、ガスだけでも契約することが可能です。電気・ガスでは「セット契約」に注目が集まっていますが、ほとんどのケースで電気・ガスを別々の会社と契約した方が遥かにお得になります。
マネーフォワード電気の場合も、安いガス会社と別々に契約した方がお得です。例えば東京ガスエリアの料金プラン(1人暮らし平均使用量)でシミュレーションした結果はこちら。
内容 | ガス料金 | 電気料金 | 月合計 | 月の差額 |
---|---|---|---|---|
東京ガスのガスと 東電の電気 |
3229円 | 4568円 | 7797円 | - |
電気・ガスともに東京ガス | 3229円 | 4417円 | 7646円 | -151円 |
電気・ガスともに東電 | 3132円 | 4446円 | 7578円 | -219円 |
エルピオ都市ガスと マネーフォワード電気 |
3102円 | 4430円 | 7532円 | -265円 |
1人世帯の平均使用量
「安い」ガス会社は地域や条件によって異なります。以下の記事を参考にガス料金が安いガス会社を探してみてください。
マネーフォワードガスの実現性は?
マネーフォワードがガスを販売する可能性は無いのか、電力・ガス自由化の現状とあわせて解説します。
固定費見直しに力を入れるマネフォ
マネーフォワードは家計簿アプリを中心に事業展開している会社ですが、「マネーフォワード固定費の見直し」というサービス名で電気の販売にも参入しました。
家計簿アプリのユーザーは「節約」への関心が高いため、電気代の節約になる新電力サービスをユーザーに向けて提供することは理にかなった事業戦略と言えます。また、マネーフォワード電気を契約することでマネーフォワードMEプレミアムが無料で使える特典が付帯しますが、このような特典を提供することでサービスの継続率が上がるメリットも期待できます。
現状「マネーフォワード固定費の見直し」は電気のみ提供されていますが、複数サービスを契約してもらうことができれば、より解約率が下がりマネフォの収益が安定します。今後ガスの販売に参入する可能性は決して低くはないと思います。
ガスが実現した場合の対応エリアは・・
都市ガスは電力と比べて「エリア」が非常に細分化されているのが特徴です。例えば「東京都内」に限定して見ても5社のエリアに分かれています。それぞれのエリアが接続していないケースも多く、広い地域に新規参入を果たせるガス会社はありません。
そうした状況なので東京ガス・大阪ガス・東邦ガスの3エリアでは新規参入が多く、競争が活発化していますが、それ以外の地域では新規参入が「1社も無い」地域も珍しくありません。
マネーフォワードガスが実現した場合も、まずは東京・大阪・東邦ガスの3エリアからの展開が有力でしょう。更に付け加えると、電気で提携しているシン・エナジーは都市ガスを手掛けていないので、東電系や中電・大ガス系と提携するのではないかと思います。