シンエナジーの都市ガス

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どうなる?シンエナジーのガス


 神戸の中堅新電力シンエナジー(旧洸陽電機)のガス自由化への参入状況を、最新情報をもとに詳しく解説します。



シン・エナジー公式サイト

ガス自由化には参入していないシンエナジー


公式でも他社ガスとの「組み合わせ」を推奨


 シンエナジーは2020年現在、ガス自由化には参入していません。ガスを販売するのに必要な「登録ガス小売事業者」としても登録されておらず、ガスを販売することが出来ていない状況です。


 シンエナジーの公式サイトでは、関電ガス大阪ガスなど他社のガスとシンエナジーの電気を組み合わせて使うとお得である旨の告知がされている状況です。


参入のハードルが高いガス自由化


 新電力としては中堅規模のシンエナジーですが、なぜガス自由化には参入していないのか。その原因はガス自由化への参入のハードルが高いことが要因として挙げられます。


 電力自由化では卸電力取引所といって、電気を売買する市場が設けられており、発電所を全く持たない新電力もそこから電気を調達することで電力自由化への参入が容易に可能です。


 しかしガス自由化ではそうした取引市場は設けられておらず、ガス自由化に参入する企業は自前でガスの製造工場を設けたり、あるいは保安体制を整えたりと、多額の設備投資が必要となります。シンエナジーを含め、そうした多額の設備投資に二の足を踏む企業は少なくありません。


今後の動向は?


 電力自由化と比較して参入企業が非常に少ないと言えるガス自由化ですが、参入企業が増える動きも少しずつ加速しています。


 例えば東京電力ニチガスが共同で設立した東京エナジーアライアンスでは、ガス自由化への参入に必要な諸々のサービスをパッケージとして提供しており、それを活用することでガス自由化に参入する企業も増えつつあります。


 自前で参入するのは引き続き難しいですが、こうしたサービスを活用することでシンエナジーもガス自由化に参入できる可能性があります。ただし実現したとしても、対応エリアは東京ガス大阪ガス東邦ガスなど大手ガス会社のエリアに限定されるでしょう。


シン・エナジー公式サイト

シンエナジーと一緒に契約すべきガス会社は?


ガスだけで安くなる会社がおすすめ


 新規参入のガス会社の多くは、ガスだけでも契約することが可能です。電気・ガスでは「セット契約」に注目が集まっていますが、ほとんどのケースで電気・ガスを別々の会社と契約した方が遥かにお得になります。


 シンエナジーの場合も、安いガス会社と別々に契約した方がお得です。例えば東京ガスエリアの料金プラン(2人世帯平均使用量)でシミュレーションした結果はこちら。


内容 ガス料金 電気料金 月合計 月の差額
東京ガスのガスと
東電の電気
5100円 9477円 14577円 -
電気・ガスともに東電 4947円 9431円 14378円 -199円
電気・ガスともに東京ガス 5100円 8727円 13827円 -750円
電気・ガスともにENEOS 4896円 8805円 13701円 -876円
ENEOSガスと
シンエナジー
4781円 8874円 13655円 -922円
いずれも原料調整費などは含まず ガスは31立米、電気は348kWh:30Aで計算
2人世帯の平均使用量 東ガス、ENEOSともにポイント還元込み

 東京電力や東京ガスの電気・ガスのセット契約プランよりも、シンエナジーとENEOS都市ガスの組み合わせの方がお得です。


シン・エナジー公式サイト

 続いて、大阪ガスエリアについて同じく試算します。


内容 ガス料金 電気料金 月合計 月の差額
大ガスのガスと
関電の電気
5845円 8525円 14370円 -
電気・ガスともに大ガス 5734円 8095円 13829円 -541円
関電ガスと
シンエナジー
5379円 7945円 13324円 -1046円
電気・ガスともに関電 5217円 8090円 13307円 -1063円
いずれも原料調整費などは含まず ガスは31立米、電気は348kWhで計算
大ガスのセット契約はGAS得もっと割

 こちらは僅差で関電ガスの方がお得という結果になりました。シンエナジー公式サイトでは「生活フィットプラン」で試算されていますが、上記の試算は「きほんプラン」での試算です。生活フィットプランは時間帯によって料金単価が変わるため、生活スタイルによっては割高になる可能性がある点に注意が必要です。


シン・エナジー公式サイト



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