北海道のガス会社の比較

どうなの?北海道のガス自由化


 2017年に始まったガス自由化ですが、実は北海道はガス自由化の「空白地帯」とも言える現状があります。最新事情をもとに詳しく解説します。



北海道ではガス会社を「選べない」


 「ガス自由化」から時間が経っていますが、残念ながら北海道では自由にガス会社を選ぶことが出来ないという現状があります。


北海道ガスのエリア


 札幌や千歳、函館などの「北海道ガス」の都市ガスのエリアにはいちたかガスワンが参入しています。2017年のガス自由化以来、新規参入が1社も無い状況が続いていましたが、2020年4月からサービスを開始しました。


 ガス料金は北ガスと同額で、安くもならないし高くもならないという料金設定です。灯油や電気(エネワンでんき)とのセット割引があるので、同社のサービスを既に利用している人のみ検討してください。


 電力会社は数十社以上が参入しているので、電力会社の乗り換えを検討してください。


その他のエリア(旭川ガスなど)


北海道


 2020年になってようやく北ガスのエリアには新規参入のガス会社が現れましたが、旭川ガスや釧路ガス、室蘭ガス、帯広ガス、苫小牧ガス、岩見沢ガスなど道内の他のエリアには新規参入が1社も無いため、ガス会社を乗り換えることが出来ません。


プロパンガスは自由に切り替えOK


 プロパンガスは都市ガスに先んじて1996年に自由化されています。地域によっては多くの業者が参入しているため、切り替えが可能です。


プロパンガス


 ただし、賃貸住宅に住んでいる場合などは切り替えが出来ません。持ち家の人は基本的にOKです。プロパンガスには「定価」があって無いようなものなので、各社から見積もりを取ることをおすすめします。詳しくは以下の記事で。


電力会社は選択肢がたくさんある


 ガス会社(都市ガス)を選べない地域でも、電力会社は自由に選ぶことが出来ます。


電気料金のシミュレーション結果

電気料金のシミュレーション結果

 ファミリー世帯の場合、北電と比較して10%以上安くなるプランもあるので、切り替えを検討してみてください。賃貸のマンションやアパートでも、自由に切り替え出来ます。


なぜ新規参入が無いの?


 なぜ北海道に参入するガス会社が無いのか、その事情を解説します。


マーケットが小さい・細分化されている


 北海道で最大の都市ガス会社は北海道ガスですが、その規模は最大手の東京ガスと比較してわずか20分の1しかありません(契約数ベース)


 都市ガスを利用している人の数が圧倒的に多い関東や関西でも、ガス自由化は盛り上がりに欠ける現状があります。関東・関西でもガス自由化が苦戦している状況なので、北海道への参入が後手にまわっているようです。


ガスの調達が難しい


 北海道に限った話ではありませんが、ガス自由化では供給する「ガス」の調達が難しく、参入のハードルが高いと言われています。


 北海道にはガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の受け入れ基地がいくつかあり、北ガスと北海道電力、石油資源開発とJXTG(ENEOS)がそれぞれ所有しています。そうした基地を借りやすくしようと制度変更が行われましたが、それに加えガスの製造工場なども必要となるため、参入には巨額の投資が必要となります。


 北海道ガスのエリアに参入したいちたかガスワンについては、「スタートアップ卸」という仕組みを利用して、北海道ガスからガスを調達することで参入が可能となりました。


今後の新規参入の可能性は?


 新規参入する企業があるとすれば、北海道電力が有力です。ガスの原料であるLNGの取り扱いがあるため、参入しやすいです。地域は北海道ガスの札幌地区になるでしょう。


 しかし残念ながら、北海道電力は現在のところガス自由化への参入を表明していません。ガス事業を「新たな経営の柱にしたい」と社長が語っていますが、天然ガスをタンクローリーで運んで工場などに売る事業を2018年に始めたばかりという状況です。


タンクローリーで天然ガスを売り始めた北電


 道内には釧路ガス、帯広ガス、旭川ガスなどのガス会社がありますが、これらの地域については新規参入はかなり難しいです。ガスを運ぶ導管(パイプライン)が接続していないため、新規参入は非常に困難です。北ガスでも函館や北見地区についても望みは薄いです。




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