ガス自由化でもガス料金が安くならない理由は何?

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思ったより安くならないのは何故?


 ガス自由化スタートを目前にして、いくつかの新規参入企業がガス料金プランを発表しています。ですが、料金プランを見て乗り換えを断念する消費者も少なくありません。大して安くならないという声が非常に大きいです。


 ではどうして、皆が期待しているような「格安ガス会社」が出てこないのでしょうか。その理由を解き明かしていきます。



参入企業が少なく競争が起きていない


参入企業が少なく競争が起きていない  ガス自由化で新規参入を果たした会社は、全国でも片手で数えられるほどしかありません。新規参入が無い地域が圧倒的に多いですし、参入がある地域についても新規参入はせいぜい1社だけです。


 このような状況で、従来のガス会社と新規参入のガス会社が入り乱れた激しい競争が起こるわけがありません。競争が起きなければ価格競争する必要もありませんから、「思ったより安くならない」のは当然の結果と言えるでしょう。


 新規参入が少ない中でも、関西エリアでは関電と大ガスが激しい競争を繰り広げています。大阪ガスエリアについては、乗り換えてもいいかなと思えるようなプランを関電が提示しているので、新規参入企業の数だけが問題ではないとも言えます。


ガス供給にはコストが掛かる


ガス供給にはコストが掛かる  ガス自由化にあたって、新規参入の会社は法律によって定められた保守点検業務を遂行する責任を負っています。必ず現地(各家庭)に検査員を派遣して定期的に点検しなければならないので、その分コストが高くなります。


 既存の都市ガス会社も同様の責任が課せられていますが、作業員の人員の確保や教育なども含めて完成されたシステムを既に持っているわけです。一から揃える(もしくは外部委託)必要がある新規参入企業の方が不利になります。


元々の料金が安い


 政府統計によれば、1世帯あたりのガス料金の平均支払額は5千円程度。1万円を超える電気代と比べると、半額程度に留まります。


 元々の金額が小さい分、仮に同じ「お得率」を実現したとしても絶対的な額が小さくなるのは仕方ないことです。


都市ガスの代替サービスの存在


都市ガスの代替サービスの存在  地域独占で競争が無かったと言われる都市ガス業界ですが、これまでも全く競争に晒されていなかったわけではありません。


 東日本大震災までは、電力各社が普及につとめていた「オール電化」との間で激しい競争が繰り広げられていました。また、地域によってはプロパンガス(LPガス)が競争相手になる場合もあり、そうした代替サービスとの競争を戦ってきた経緯があります。


 悪名高き「総括原価方式」で高コスト体質だったという批判もある一方、料金面の魅力を打ち出さなければ代替サービスとの競争に負けてしまうということで、世間が思っていたよりも「価格面でも」頑張っていたのかもしれません。




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