賃貸でも変更可能?
ガス会社を自由に選べるようになるのが都市ガス自由化。しかし、「賃貸だと乗り換えられないんじゃないの?」と不安を覚える人も多いでしょう。その疑問にズバリ答えます。
目次
賃貸でもOK!
賃貸のアパートやマンションでも、ガス会社を自由に選べるようになります。
ガス会社を乗り換えるにあたっては、特に工事は必要ありません。今までのガス管やコンロをそのまま使うので、私たちが分かる変化は「ガス料金を払う先」が変わることくらいです。
ネットのプロバイダーをイメージしてください。既にネットが開通している物件なら、プロバイダーは基本的に自分で自由に変えられますよね(一方で回線業者の変更は色々とややこしい)
ガス会社の乗り換えもプロバイダーの変更と同じように、いやそれよりも遥かに簡単に出来ます。
乗り換えられないケースもある
残念ながら、自由化が行われてもガス会社を変更できないケースもあります。
プロパンガス(LPガス)の物件
プロパンガスを利用している賃貸住宅では、ガス会社を自由に乗り換えることができません。
プロパンガスの場合、どこの業者を選ぶかは完全に自由です(96年に自由化) しかし、アパートや賃貸マンションの場合は大家さんか管理会社に「ガス会社を決める権利」があります。入居者は選ぶことが出来ません。残念ながら諦めた方がいいです。
また、料金が高いプロパンガスから都市ガスに変更したい人も、諦めましょう。
都市ガスとプロパンガスは全く異なる性質を持っているため、使えるガス機器も違います。ガスコンロから給湯器まで一切合切変える必要があるため、大家さんが首を縦にふる可能性は限りなく低いです。
余談: プロパンを導入する際に、ガス屋さんから大家や管理会社に「袖の下」が渡っていることが多いです。例えば「全室にエアコンを無料で付けてあげます」とか、「入居者のガス代の10%を大家に還元する」といった感じです。その結果として、入居者は都市ガスよりもかなり割高なガス代を負担することになります。
新規参入のガス会社が無い地域
都市ガスに参入する会社には、それぞれ対応出来るエリアが限定されています。全国全ての家庭に供給できるわけではありません。よって、地域によっては参入する会社が少なかったり、全く参入企業がない地域も多く存在します。
参入企業が無ければ乗り換え先がありませんから、乗り換えることが出来ません。自由化開始から数年経てば少しずつ新規参入も増えてくるかもしれないので、気長に待つしかないです。
入居時にガス会社が指定されている場合
入居時の契約で、利用するガス会社が定められている場合はそれに従う必要があります。
まだそうした物件は皆無だと思いますが、今後ガス自由化が進展していくに従って、不動産会社がガス会社として登録し、入居者にガスを供給することも予想されます。電力自由化でもそうした例がいくつか見られ、入居者に利用を求めたケースがありました。
重要事項説明をよく聞いておいてください。
戸別のメーターの設置が無い場合
戸別にガスメーターの設置が無い場合は、ガス会社を自由に乗り換えることが出来ません。例えば下宿や寮などで、大家さんがまとめてガスを契約して料金を支払っている場合などが該当します。
また、二世帯住宅などでメーターが1つしか付いていない場合も注意が必要です。契約はメーターごとに行われていますから、そのメーターを共有している全世帯での乗り換えが必要になります。
大家さん・管理会社さんへ
勝手にガス会社を乗り換えられたら困るよ!
何かあった時にどうしてくれるんだ!
そういった苦情が来そうなので付け加えておきますと、ガス漏れ等の緊急事態が発生した時は、これまで通り地域のガス会社さんが対応することが定められています。
従って、何か非常事態が発生した場合はこれまで通り地元のガス会社さんとやり取りすることになります。
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