都市ガス自由化の仕組みとは
「ガス自由化」でこれまでと何が変わったのか。今までとの違いを分かりやすく解説します。
これまでの都市ガスの供給
これまではガスを使うには地域で「唯一の」ガス会社と契約し、料金を払ってガスを使っていましたよね。例えば例えば東京23区なら東京ガス、京都市なら大阪ガス、といった具合に、その地域のガス供給を独占しているガス会社が存在していました。
これは国民にガスを安定的に届けるために「ガス事業法」という法律によって定められていたことなのですが、これが自由化によって大きく変わりました。
料金低下とサービス向上が狙い
これまでは、その地域に存在する「唯一のガス会社」と契約する以外に選択肢はありませんでした。
しかし、自由化によって地域のガス会社以外にも「選択肢」が生まれます。当然、会社ごとに料金やサービスが異なりますから、業者間での競争が生まれます。この競争による料金水準の低下や、サービスの向上がガス自由化の狙いです。
大阪ガスが関電ガスに対抗するために値下げを行うなど、自由化の効果は着々と現れています。
ガス管は共同利用
新規参入が増える、と言われるとガス管を新たに敷くために、そこら中で道路工事が始まるのではないか、と心配する人もいるでしょう。
ですが、そうはなりません。ガスが自由化されると、全てのガス会社が、これまでに敷かれたガス管を共同利用出来るようになります。ガス管の所有はこれまでの地域のガス会社のままで、新規参入業者は地域のガス会社に「託送料金」というお金を払って、ガス管を使わせてもらう形になります。
もちろん、自宅のガス管やコンロなどの機器もそのまま使えます(詳細:乗り換えに工事は必要?)
共同利用とは?
これまで東京ガスのガスしか通っていなかったガス管に、新規参入のA社やB社など色んな会社のガスが混じって通ってくる、というイメージです。ガスは規格が決まっているため、同じ規格ならどこの会社のガスでも同じなので、色んな会社のガスが混じっても問題ありません。
ちなみに、既に大口向けのガスは自由化されています。その関係で、例えば関西電力のガスが大阪ガスの管を通って一部の工場などに供給されています。でも、何も問題は起きていません。
新規参入の業者は、自社のお客さんが使うのと同じ量を「ガス管」に流します。そうやってガスを「供給」します。
私たちにとっては書類上の違いでしかない
ガス会社を乗り換えるにあたっては、工事も全く必要ありませんし、切り替え費用も掛かりません。WEBなどから手続きをすれば、簡単にガス会社を乗り換えることができます。
当然、ガスの燃え方が変わることもありえません。
変わるのはガス料金の支払先とガス料金くらいなものです。
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