自由化でいくら安くなる?
ガス自由化で、毎月のガス料金は何円安くなるのでしょうか?
実際のプランを元に詳しく試算してみました。
目次
平均使用量でのシミュレーション結果
平均的な使用量とされる、33立米/月で試算してみました。
大阪ガス→関電ガスの乗り換えの場合
既に料金プランが公表されている、関電ガスへの乗り換えで試算してみます。
大阪ガスの料金 (乗り換え前) |
関電ガスの料金 (乗り換え後) |
毎月の節約額 | 年間の節約額 |
4568円 | 4248円 | -320円 | -3840円 |
年間3840円の節約という試算になりました。
率にして7%オフです。
中には「従来のプランよりも10%安を目指す」と語っている新ガス会社もあります(ニチガス社長発言)
今後の更なる価格競争に期待したいです。
設備によっては割高になる場合も
ご家庭のガス設備の状況によって、その設備を持つ家庭だけが受けられる割引や、お得なプランが用意されていることがあります。床暖房やガスファンヒーター、エネファームなどの設備をお持ちの場合は、そうしたプランが適用されている可能性が大きいです。
こうした割引プランが適用されている場合、乗り換えによって今よりも料金が割高になる可能性があります。
ガス会社はお客さんにガスをたくさん使ってもらいたいので、ガス関連の設備を設置したお客さんにはとてもお得な料金プランを提示しています。ですが乗り換え先の新ガス会社(多くは電力会社)では、電気の使用量を減らしてしまうガス設備を快く思っていません。なので、前述の関電ガスにもガス設備に対する割引はありません。
エネファーム、エコウィル、ガス式床暖房、ガスファンヒーターなどをお使いのご家庭は、特に慎重に検討してください。ガスの検針票の契約種別のところに「選択約款」などと書かれていないかチェックしてください。
電力会社を乗り換えた方がメリットは大きい
年間で3840円しか安くならないんじゃ、面倒だからいいや。
と、思ってしまった人も少なくないのではないでしょうか。
そういう人にはガスより1年先に自由化されている電力会社の乗り換えをおすすめします。
同じく関西の標準的使用量(300kWh)の世帯では、電力会社を乗り換えるだけで月2137円/年25644円もお得になります。使用状況や乗り換える先の会社によっても金額は当然変わってきますが、ガス会社を乗り換えるよりも節約額は数倍大きいです。
また、電気とガスのセット契約のプランが注目されていますが、それぞれ別の会社と契約した方がトータルで安くなることが多いです。安易なセット契約は逆に高くつくので、注意しましょう。
なぜ新ガス会社は料金が安いのか
ガスの品質や安全性は全く変わりませんし、手続きはWEBから出来て、工事も全く必要ありません。では、どうして乗り換えで料金が安くなるのでしょうか。
現在、ガス自由化に参入している企業は全て大手電力会社です。大手電力会社は火力発電所で使うために、大量の液化天然ガス(LNG)を輸入しています。このLNGは都市ガスの主原料でもあるのですが、LNGの輸入量は大手ガス会社よりも大手電力会社の方が多いのです。
社名 | LNG調達量 (2013年度 / 千トン) |
東京電力 | 25251 |
中部電力 | 13686 |
東京ガス | 12804 |
大阪ガス | 7786 |
関西電力 | 7750 |
上の表は、日本企業のLNG調達量のランキングです(上位5社)
この表を見ると、東電は東京ガスの2倍、中電は同じ地盤の東邦ガス(8位のため割愛)の4倍以上という圧倒的な量のLNGを調達しています。
こうした調達量の差や、企業努力によって大手ガス会社よりも魅力的なガス料金プランが生み出されています。
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