ガス会社が倒産・撤退したらどうなるの?
都市ガス自由化では、様々な会社が「新ガス会社」として新規参入を果たすことになります。ですが、遅かれ早かれ倒産や撤退する企業も出てきます。そうした場合、ガスは使えなくなってしまうのでしょうか? ガス会社が倒産したり、撤退する場合に起こることを時系列で説明します。
ガス会社を乗り換えても安全性は変わらないの?ガスそのものの安全性について |
1.契約していたガス会社が倒産・撤退
ガスの小売事業者(新ガス会社)が倒産・撤退する場合、事業を停止する1ヶ月程前までにお客さんへ通知することが望ましいとされています。ですが倒産する会社が、そんな対応をしっかり遂行できる筈がありませんよね。我々の知らぬ間に会社が無くなっている、ということが起こり得ます。
ですがご安心ください。ガス会社が突然倒産した場合でも、ガスが急に使えなくなるということはありません。
導管会社(ガス管を持っている会社)は「最終保障供給約款」というものを用意しています。最終保障供給約款とは、ガスを使っているお客さんが、どのガス会社とも契約が無い状態になった際に、緊急避難的に適用されるものです。急にガスが使えなくなるような事態を避けるために用意されています。この最終保障供給約款で保護されるので安心してください。
2.ガス導管会社から消費者に通知がいく
倒産する前に予め通知が行くことが望ましいですが、通知されない場合もあるでしょう。その場合は導管会社から、各お客さんに通知がされることになります。また、それと併せてガスの供給が1ヶ月後に停止するという説明もされます。
最終保障供給約款は緊急避難的なものです。そのままダラダラと使い続けるのは良くない、という判断から「1ヶ月程度」という期限が設けられることになりそうです。
3.新しく契約するガス会社を探す
自分が契約していたガス会社が倒産したと知りました。
一先ずガスは引き続き利用可能ですが、1ヶ月後には停止してしまいます。その1ヶ月の間にあなたがやるべきことは新しいガス会社と契約し直すということです。
上で説明したとおり、最終保障供給約款は緊急避難的なものですから、そのまま使い続けることが出来ません。期限内に新しい会社を見つけましょう。地域のガス会社でも、新ガス会社でもOKです。とにかく新しい会社を見つければそれでよいのです。
4.料金の精算
以前使っていたガス会社が倒産して以降、つまり最終保障供給約款が適用されていた分の料金を支払う必要があります。
選択肢は2つあります。
1つは新しく契約し直したガス会社に一括で払うというもの。契約を遡って、宙ぶらりんになっていた期間にも新しいガス会社の契約を適用して、まとめて支払う形を取ることになりそうです。
そしてもう一つは、導管会社に支払うというもの。宙ぶらりんになっていた期間の料金を、ガス管を管理する会社に支払います。実はこれを選ぶと、通常のガス料金よりも1.2倍程度高い金額を請求されることになりそうです。従って、新しく契約するガス会社にまとめて支払う、というのが現実的な選択肢となるでしょう。
倒産・撤退は怖くない
倒産や撤退しても、またゆっくり新しい会社を探せばいいだけです。
申し込みはネットで簡単に出来るので、ネット通販で買い物をするくらいの手間で済むはずです。
お断り
本記事は経済産業省ガスシステム改革小委員会の議事録、資料を元に執筆しました。まだ制度として決定を受けたものではありませんので、その点はご注意ください。決定後に記事を修正する可能性があります。
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