ガス自由化でガス代が安くなるのはなぜ?

なぜガス自由化でガス代が安くなるのか


 ガス自由化でガス会社を乗り換えるとガス代が安くなる。その裏にはどんな事情があるのか、不安に感じやすい点を解消しながら分かりやすく解説します。



ガス自由化でガス代が安くなるという事実


 まずは新規参入のガス会社が「安い」と言える事実を簡単に紹介します。


乗り換えると平均数%程度安くなる


 新規参入のガス会社が全く無い地域も全国には多くありますが、新規参入があった地域については、新規参入のガス会社(その中心は大手電力)が既存のガス会社と比較して数%程度安い料金プランを提示しています。


 地域によって異なりますが、新規参入が最も多い東京ガスのエリアでは、東京ガスの一般契約料金と比べて3〜4%前後安くなるものが多いです。標準的な世帯では年間で数千円の節約になります。
 競争が激しい大阪ガスのエリアでは、大阪ガスと比較して8%以上安い料金プランを提示しているところもあります。


届くガスの品質は全く同じ


 ガス料金に違いはあるものの、自宅に届くガスはどの会社でも同じです。都市ガスは一定の規格が定められており、またどのガス会社と契約しても同じガス管を通って供給されるため、どの会社でもガスの品質は同じです。


東京ガスの緊急車両

ガス漏れのような緊急事態は既存のガス会社が対応する

 また、保安検査などについても一定の基準があり、新規参入の企業もそれを満たすことが必要となるため、大きな違いは無いと言えます。


 商品に違いは「無い」のに、なぜ料金が違うのか。その理由を解説します。


ガス会社を切り替えるとガス代が安くなる秘密


 本題に入ります。ガス会社によって料金が異なる理由は、主に3つあります。


コスト削減


 新規参入のガス会社は、既存のガス会社と比較してコストを削減している部分があります。


 例えば既存のガス会社では多種多様な支払方法に対応しています。クレジットカード、口座振替に加えコンビニ払いも出来ます。それに対し新規参入のガス会社では、コンビニ払いに対応していないところが多いです。


ガス代の請求書

新規参入の会社は紙の請求書の発行が有料

 コンビニ払いを利用すると、ガス会社はコンビニに対し一件50円以上と言われている決済手数料を支払う必要が生まれます。コンビニ払いに対応しないことで、そうした費用を削減しているのです。


 また、紙の検針票や請求書の発行を有料としている新規参入企業が多いです。紙の請求書を送付する場合、外注すると一般的に一通150円以上の経費が掛かります。紙で送らず、マイページからユーザーに自分で印刷してもらうことで、こうしたコストを削減しています。


(セット契約の場合)販売上の戦略


 ガス自由化の新規参入で目立つのが、電気とのセット販売です。電気とセットでないと契約を受け付けないとしている新規参入のガス会社(電力会社)もあります。


 電力会社はガス自由化で顧客を獲得している反面、電力自由化では大量の顧客を奪われています。電気の顧客をこれ以上奪われないようにするために、ガスとセット販売して顧客を繋ぎ止めようとしています。


 セット契約にした場合、単独での契約と比較して解約率が下がると言われていることや、それほど値引きをしなくても契約が見込めるということで、大手電力や通信会社がガスとのセット契約に力を入れています。


ガス原料の調達力の差


LNGタンカー

ガスの原料は船で海外から運ばれる

 都市ガスの主な原料であるLNG(液化天然ガス)の調達量が日本で最も多いのは、東京ガスではなく東京電力グループです。発電用に大量のガスを取り扱っており、輸入量は東京ガスの1.6倍にのぼります(2017年度)


 大量に買える企業はそれだけで交渉力が高まりますし、またスケールメリットも働くため調達面で有利になると言われています。


 実際には調達力でまさっていても、それを都市ガスに加工する工場を持っていないといった点で新規参入の会社が不利になる点も多々あり、メリットを活かしきれていない現状があるのも事実です。都市ガス工場の建設の動きも進んでいるので、今後は徐々に製造・調達面のメリットが発揮されていくでしょう。




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