九州電力の「きゅうでんガス」を詳しく解説!
九州の電力供給を一手に担ってきた九州電力が、ガス自由化を機にガス事業にも乗り出しました。ガスの原料であるLNGの輸入量で西部ガスの4倍以上と、「九州一」を誇る九州電力の都市ガスを詳しく解説していきます。
目次
料金プランの解説
スマートファミリープラン
一般家庭向けのプランです。
世帯人数ごとの「平均使用量」で算出した西部ガス(福岡・北九州地区)との料金比較です(原料費調整を含めず 原料費調整の推移によっては結果が変わる場合もあります)
お得率と年間節約額 | 1人 月17m3 |
月31m3 |
月39m3 |
月40m3 |
スマートファミリープラン | -5.9% -3600円 |
-9.6% -9600円 |
-8.9% -10800円 |
-9.7% -12000円 |
プランの概要としては、ガス料金自体は西部ガスと全く同額で、そこから電気の「契約アンペア数」と毎月の「ガスの使用量」によって変わる割引額が引かれる仕組みです。
九州電力の電気とのセット契約が必要で、ガスだけで契約することは出来ません。
なお、上の試算は1人世帯20A、2人世帯30A、3人世帯40A、4人世帯50Aと仮定しています。それよりアンペア数が小さければ割引額が縮小、大きければ拡大します。
解約時の違約金は?
ガスを解約しても、利用期間に関係なく違約金の発生はありません。
ただし、ガスとセットで契約する電気の方で「2年契約割引」が適用されている場合は、電気の方で違約金が発生する可能性があります。
供給エリアは?
きゅうでんガスの供給エリアは西部ガスの「福岡・北九州地区」です。
西部ガス以外のガス会社を利用している地域や、西部ガスでも熊本や長崎などのエリアにお住まいの人は今のところ契約できません。
九州電力のデメリットは?
きゅうでんガスにデメリットは無いのか。詳しく見ていきましょう。
必ず電気とセット契約しなければならない
きゅうでんガスは「ガス・電気」をセットで契約する必要があります。そのため、電力自由化で電気の契約を新電力に切り替え済みの場合は、また九州電力に電気の契約を戻す必要があります。
また、関西や東京など他の地域ではガスと電気をそれぞれ別々の会社に切り替えることで、大幅な節約が可能ですが、九州ではきゅうでんガスがガス単独での契約を受け付けておらず、また九州電力以外にガスの参入が無いため、その手が使えません。
きゅうでんガスがガス単独で契約出来るようになるか、もしくは他の会社がガス自由化に参入することを期待したいです。
電気料金はほぼ安くならない
きゅうでんガスと契約すると、ガス料金は西部ガスと比べて大幅に安くなります。一方で電気料金は年間わずか52円しか安くなりません(30A/月348kWh:2人世帯標準使用量) ただしガス代が大幅に安いので、トータルで見れば「2人世帯では」九電は大幅に安いと言えます。西部ガスのセット契約と比較しても九電の方が安いです。
しかし、電気・ガスの使用量が多い世帯で試算すると他社の方が安いです。3人世帯の標準使用量で試算するとこのようになります。
内容 | ガス料金 | 電気料金 | 月合計 | 月の差額 |
---|---|---|---|---|
西部ガスのガスと 九電の電気 |
10056円 | 9805円 | 19861円 | - |
電気・ガスともに西部ガス ガスはヒナタメリットに変更 |
9819円 | 9303円 | 19122円 | -739円 |
電気・ガスともに九電 | 9156円 | 9705円 | 18861円 | -1000円 |
西部ガスのガス (切り替え無し)と 熊本電力の電気 |
10056円 | 8667円 | 18723円 | -1138円 |
西部ガスのガス (ヒナタメリット)と 熊本電力の電気 |
9819円 | 8667円 | 18486円 | -1375円 |
電気代が平均的に毎月1万円を超えるような世帯であれば、九電のセット契約を使わない方がお得になるでしょう。
支払い方法が限定される
西部ガスのガス料金はコンビニや金融機関の窓口でも支払可能となっていますが、きゅうでんガスのガス代はコンビニ払いに対応していません。カード、もしくは銀行引き落としとなります。
また、ガスとセットで契約する電気のプランについても同様の扱いとなります。