「電気・ガス」セットにまとめるのは損だと言える理由

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電気・ガスをまとめるのは損


 2016年にスタートした電力自由化では、多くのガス会社が「電気とガスのセット契約」を武器に多数の顧客を獲得しています。2017年のガス自由化では、逆に電力会社がガス事業に参入することで、「ガス・電気のセット契約」の流れが加速しています。


 ですが、電気・ガスをまとめるのは「必ずしもお得ではない」といえる現状があります。実際の数字をもとに詳しく検証します。



電気・ガスのセット契約は損だと言える理由


 電気・ガスをまとめる世帯が増えていますが、実はそれは「損」だと言える事実があります。数字をもとに詳しく解説します。


別々に契約した方がお得です


 電気・ガスをまとめて「お得」だというプランは、電力会社・ガス会社双方から続々と登場しています。しかしそのほとんどが、必ずしもベストな選択肢であるとは言えません。


 というのも、以下で地域ごとにモデルケースで示しますが、電気・ガスをそれぞれ別々の会社と契約した方が圧倒的にお得になるケースが少なくないからです。


 以下、4大ガス会社のエリアをモデルケースで試算します。


東電・東京ガスの場合


 まずは東京電力と東京ガスを利用している地域について試算します。


内容 ガス料金 電気料金 月合計 月の差額
東京ガスのガスと
東京電力の電気
5007円 9306円 14313円 -
電気・ガスともに東電 4857円 9156円 14013円 -300円
電気・ガスともに東ガス 5007円 8573円 13580円 -733円
レモンガスのガスと
ENEOSでんき
4797円 8713円 13510円 -803円
いずれも原料調整費などは含まず ガスは31立米、電気は348kWh・30Aで計算(2人暮らし世帯の平均)

 東電と東京ガスでは東京ガスに「まとめる」方が圧倒的にお得ですが、電気・ガスそれぞれ別の会社に切り替えた方が更にお得という結果です。


東京ガスの電気の公式サイト

関電・大阪ガスの場合


 続いて、関西電力・大阪ガスを利用しているエリアについて試算します。


内容 ガス料金 電気料金 月合計 月の差額
大ガスのガスと
関電の電気
6345円 8369円 14714円 -
電気・ガスともに大ガス 6345円 7949円 14324円 -390円
電気・ガスともに関電 5723円 8369円 14092円 -622円
大ガスのガスと(切替無し)
あしたでんき
6345円 7482円 13827円 -887円
関電のガスと
あしたでんき
5900円 7482円 13382円 -1332円
いずれも原料調整費などは含まず ガスは31立米、電気は348kWhで計算(2人暮らし世帯の平均)

 まとめるならば関電の方がお得ですが、それよりも「電気だけ」切り替えた方がお得です。また、更にガスも切り替えることで削減額が大きくなります。


中電・東邦ガスの場合


 中部電力と東邦ガスのエリアについて試算します。


内容 ガス料金 電気料金 月合計 月の差額
東邦ガスのガスと
中部電力の電気
6705円 9181円 15886円 -
電気・ガスともに東邦ガス 6705円 8972円
-209円
15677円 -209円
電気・ガスともに中電 6217円
-488円
9181円 15398円 -488円
中電のガスと
HTBエナジーの電気
6344円
-361円
8724円
-457円
15068円 -818円
いずれも原料調整費などは含まず ガスは31立米、電気は348kWh・30Aで計算

 まとめる場合は東邦ガスよりも中電の方がお得ですが、別々の会社と契約した方が圧倒的にお得です。


九電・西部ガスは例外


 最後に、九州電力と西部ガスのエリアについて試算します。


内容 ガス料金 電気料金 月合計 月の差額
西部ガスのガスと
九電の電気
8163円 8235円 16398円 -
電気・ガスともに西部ガス
ガス:一般契約
8163円 7997円 16160円 -238円
電気・ガスともに西部ガス
ガス:ヒナタメリット
7730円 7997円 15272円 -671円
西部ガスのガス
(ヒナタメリット)と
熊本電力の電気
7969円 7557円 15526円 -872円
電気・ガスともに九電 7363円 8183円 15496円 -902円
いずれも原料調整費などは含まず ガスは31立米、電気は338kWh/30Aで計算(2人世帯標準使用量)

 ガス・電気ともに九州電力にまとめた方が、別々に切り替えるケースよりもお得という結果になりました。このエリアに関しては、ガス自由化の参入企業が九電のみで、かつ九電はガスのみの利用ができない(セット契約必須)であることが要因として挙げられます。


 ただし、試算の前提条件を「4人世帯」の標準使用量に変えると、このエリアでも別々の契約の方がお得になります。


中電ガスの公式サイト

結論:電気とガスをまとめるのはやめよう


 これまで各地域のモデルケースを紹介してきてお分かりのとおり、「まとめる」場合よりも別々に契約した場合の方が削減額が2倍になるケースもあり、圧倒的にお得です。それぞれ別々に、安くなる会社と契約するのがおすすめです。




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