北海道電力(北電ガス)の評価

広告

北電ガスの概要


 北海道電力が2020年10月からサービスを開始した「ほくでんガス」の料金やサービス内容を、北ガスなど他社と比較しながら分かりやすく解説します。実はそれほどお得ではありません。



北電ガスってどんな会社?


 まずは北電ガスについて説明します。


2020年10月からサービスを開始


 北海道電力は2020年10月からガスの販売を開始しました。2017年にガス自由化がスタートして以来、道内では都市ガス事業に新規参入する企業が無く「自由化されたのに選べない」状況が続いていました。


 しかし2020年に入ってからガスワンが道内に参入したのに続き、北海道電力も参入することでようやく競争が活発化しています(なお、ガスワンは北ガスと同額の料金で、灯油宅配サービスなどを利用している場合のみセット割引が適用される)


供給エリアは?


 道内でも、北海道ガスの「道央エリア」のみ対応しています。札幌、小樽、石狩、北広島、千歳がエリアです。


料金プランの解説


ガス料金はいくらお得になるの?


 北海道ガスの標準的なプランである「一般契約」から北電ガスに乗り換えた場合の、世帯人数ごとの試算を紹介します。(総務省「家計調査」から求めた平均使用量で試算 原料費調整を含めず 原料費調整の推移によっては結果が変わる場合もあります)


お得率と年間節約額 1人
月17m3
2人
月31m3
3人
月39m3
4人
月40m3
北海道電力
ガス・電気セット契約
-5.0%
-2580円
-5.0%
-3984円
-5.0%
-4787円
-5.0%
-4887円

 ガス料金は北ガスの標準的なプランである「一般契約」と比較して、使用量に関係無く一律5%安いです。


 注意点としては、北ガスでも「一般契約」ではなく例えばガス給湯器・ガス暖房を設置している世帯で契約できる「家庭用FF暖房・給湯契約料金」などのプランと比較すると、北電ガスは割高です。例えば月40m3の場合、年間544円高くなってしまいます。


 現在、北ガスで契約しているプランが「一般契約」かどうか必ず確認してください。


電気とのセット契約が必要(専用プランへの切り替えも)


 北電ガスは、北海道電力の電気とのセット契約が必要です。ガスだけでの契約は出来ません。


 また、北電の標準的なプランである「従量電灯B」やCなどとのセット契約は出来ず、指定のプランを契約する必要がある点には注意が必要です。


ガス・電気セット契約での試算 北ガスと比較して


 電気・ガスのセット契約が前提のサービスなので、電気代・ガス代をトータルで試算します。いずれも標準的なプランである北海道ガスの「一般契約」と、北海道電力の「従量電灯B」から切り替えた場合の世帯人数ごとの試算です。


お得率と年間節約額 1人
月17m3
20A・月170kWh
2人
月31m3
30A・月348kWh
3人
月39m3
40A・月391kWh
4人
月40m3
50A・月437kWh
ほくでんガス
ガス・電気セット契約
-5.0%
-2580円
-5.0%
-3984円
-5.0%
-4787円
-5.0%
-4887円
北海道電力
エネとくポイントプラン
-2.7%
-1617円
-1.5%
-1976円
-1.4%
-2084円
-1.2%
-2199円
北海道電力
エネとくM
+38.3%
+23329円
-4.8%
-6343円
-4.7%
-7199円
-4.6%
-8115円
合計削減額
ガス+電気(安いプラン)
-4197円 -10327円 -11986円 -13002円

 北ガスのセット契約を利用した場合の料金は以下のとおり(電気代のみ安くなる)


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道ガス
給湯・暖房・融雪割
-3866円 -8486円 -9695円 -10985円
北海道ガス
給湯+暖房割
-4686円 -10235円 -11714円 -13290円

 後から参入した北海道電力の方が、セット契約で安くなることが分かります。


 北ガスも今後値下げなどの対抗策を打ち出してくる可能性は大いにあります。


解約違約金は?


 ほくでんガスを解約する際は、解約違約金や解約事務手数料は掛かりません。ただし、申込時に実施していたキャンペーンの内容によっては、1年内の解約で違約金が発生する場合もあるため申込時によく確認してください。


北電ガスの評価


北ガスよりお得だが、実は損


 セット契約で見た場合、北ガスよりも「安い」北電ですが、実は更にお得な選択肢があります。


 北海道電力エリアに参入している新電力会社の中には、北電と比較して電気代だけで年間3万円安くなる(4人世帯平均の50A・月437kWh)プランを提供しているところもあります。


北海道電力エリアの電気料金比較表

新電力の料金プラン(北電との比較)

 電気のみ新電力に切り替えた方が、北電のセット契約を利用するよりも大幅にお得です。手続きもこの方が楽です。


 ただし一人暮らし世帯については例外で、北電のセット契約を利用した方がお得です。北海道電力のセット契約は一人暮らし世帯のみお得、2人以上の世帯は損です。


セット契約ではガスワンの方が安い


 電気・ガスのセット契約では北電よりもいちたかガスワンの方が更に安いです。北海道で初めてガス自由化に参入した会社です。料金プラン比較は以下の記事で詳しく解説します。




関連記事


都市ガス自由化を知る

ガス会社の比較

エリア別料金比較

参入企業一覧