都市ガス小売自由化の関連銘柄一覧【株式投資】

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2017年の都市ガス自由化で「騰がる」銘柄


 2016年の電力自由化に続き、2017年には「都市ガス自由化」が行われます。この自由化によって解放される市場規模は2.4兆円。電力と比べると3分の1以下の規模ですが、株式市場にも無視できないインパクトを与えること間違いなしです。
 以下、都市ガス自由化の恩恵がありそうな銘柄をピックアップしてご紹介します。





新規参入企業


 都市ガス自由化でガスの小売に新規参入する企業には大きな注目が集まりそうです。電力自由化の際には、新規参入の代表格であるイーレックス(9517)の株価は2015年10月5日の1271円から、16年5月9日には1831円にまで上昇しています。


銘柄 コード 業種
東京電力 9501 電気・ガス業
中部電力 9502 電気・ガス業
関西電力 9503 電気・ガス業
九州電力 9508 電気・ガス業
エイチ・アイ・エス
(子会社のHTBエナジーが参入)
9603 サービス業

 ガス自由化への参入を表明している企業を挙げてみました。
 中でも、初年度20万件という目標を掲げ、CMなどで積極的な宣伝を行っている関西電力は要注目です。東電は初年度4万件、中電は5年間で20万件という目標ですから、力の入れようが違います。


 この他、参入を検討しているとの情報がある企業も多数あります。詳しくは以下の記事で。


周辺分野


 都市ガスは裾野の広い産業です。ガス自由化の恩恵を受けられるのは、直接新規参入を果たす会社だけではありません。


銘柄 コード 業種
岩谷産業 8088 ガス
日本瓦斯 8174 ガス
りらいあ 4708 コールセンターBPO
ベルシステム24 6183 コールセンターBPO
日本ユニシス 8056 システム
NTTデータ 9613 システム
日立製作所 6501 システム
千代田化工建設 6366 設備
日揮 1963 設備
IHI 7013 設備
東洋エンジニアリング 6330 設備
JFE 5411 設備

保守点検


 都市ガスの自由化にあたって、新規参入企業は法律によって定められた保守点検業務(ガスの開栓など)に対応する必要があります。そこで、従来からガス事業を展開しノウハウを持ったガス会社と提携する動きがあります。


 例えば関西電力中部電力は岩谷産業にガスの保守管理業務で技術協力を受けることを発表しています。正式に発表されたものではありませんが、東京電力は兼ねてより関係の深い日本瓦斯と提携するのではないでしょうか。


コールセンター

ガス自由化でコールセンターBPOがアツい

 電力自由化の際には、中小の新規参入企業を中心にコールセンター業務をアウトソーシングする流れが大きくありました。特に申し込みや問い合わせが殺到する2017年4月前後は、特需的に需要が高まることが予測されます。


システム関連

ガス自由化の恩恵はシステム屋にも

 ガス自由化参入企業からの業務支援システムの受注が盛んに行われるでしょう。2016年下期から2017年上期にかけて、納入が進むはずです。その後も保守管理費など安定的な売上につながる可能性もあります。


 社名は挙げませんが、当サイトに頻繁にアクセスしてガス自由化を熱心に研究している会社もあります。


設備関連

プラントメーカーもガス自由化で売上増

 新規参入にあたって、従来からLNG(都市ガスの原料)の取り扱いがあった企業でも、追加の設備投資が必要になります。


 例えば東京電力では、東京ガスをも上回るLNGの輸入量がありましたが、家庭向けへの参入にあたっては熱量調整設備などを新設する必要があり、50億円を投じて新たに建設すると報じられています。


 また、全くの新規参入組であるHTBエナジー(エイチ・アイ・エス系)では、ガス自由化への参入と併せてLNG火力発電所の建設や、自前のLNGタンカーの購入を発表しています。


 こうした大規模な設備は、一時的に売上が増える性格のものではありません。東京電力は、2022年度までに7500億円を投じるとしていますから、息の長い商売になりそうです。


一番確実な儲け方


 ガス自由化の関連銘柄を買うのもいいですけど、(ちゃんと比較検討した上で)ご自宅のガス会社の契約を切り替えたら確実に儲かりますよ。ちゃんと計算すれば、今よりいくら節約になるのかシミュレーション出来ますから、ノーリスクです。


 例えば標準的な使用量の家庭(2〜3人世帯)が大阪ガスから関電ガスに乗り換えた場合、月447円/年5364円お得になります。26万円の株を買って、2%の配当が付くのと同じ効果です。


 また、電力会社も乗り換えれば更に大きな節約が可能です。
 電気とガスをそれぞれ新規参入会社に乗り換えた場合、月2457円/年29484円お得になる(関西エリアの標準世帯)という計算結果も出ています(計算根拠) 配当利回り2%の銘柄を147万円分保有するのと同じ効果です。


ここだけの話


 正直に申しますと、ガス自由化は全然盛り上がっていません。
 参入企業が少ないですし、何よりメディアでの扱いが少なすぎます。私は電力自由化のサイトも運営していますが、昨年同時期(2月)の電力自由化のサイトの方がアクセス数は数倍多かったです(検索順位はガスの方がむしろ良いのに)


 私自身はここで挙げた中から1銘柄(ニチガス)だけ昨秋に仕込んで、既に4割ほど値上がりしていますが、今から何か仕込もうとは思わないです。くれぐれも投資は自己判断でお願いします。


 まあ逆に、今まで地域独占でやってきたガス会社で、営業エリア内に新規参入が無かった会社については、今後数年間の業績は堅調でしょう。新規参入が無ければお客さんを奪われることはありませんから。




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