実は乗り換えていません
「都市ガス自由化比較サイト」を運営し、これまでに延べ60万人を越える人たちにガス自由化を解説してきた私。しかし、自分自身はというとよく検討した結果、これまでにまだ一度もガス会社を切り替えていません。その理由を告白します。
まだ一度も切り替えていない理由
安くなる会社が無い
自分自身がガス会社の切り替えを行っていない最大の理由は「安くなる会社が無い」からです。
同額程度なら勉強のために切り替えようかと考えたのですが、残念ながらどのケースでも年間数千円以上「割高」になるため、結局乗り換えを検討することをやめてしまいました。
なぜ安くならないのか
基本的には多くの家庭で、新ガス会社に切り替えた方が料金は安くなります。
我が家でそうならない理由は、ガス式の床暖房を設置している家庭向けのプランを契約しているためです。東京ガスや大阪ガスなど、大手のガス会社は床暖房やガス暖房などの機器を設置している家庭向けに「お得」なプランを提供しています。
我が家でも東京ガスの「暖らんプラン」というプランを利用しているため、新ガス会社に切り替えることでかえってガス料金が上がってしまうというわけです。
「暖らんプラン」からの切り替えでお得になるガス料金プランを東京電力が投入したのですが、これは東電の電気とセット契約で利用する必要があるため、電気代の分で大幅に割高になる計算になりました(新電力と比べて)
ひろまらないガス自由化
ガス自由化が始まって1年が経ったものの、普及は思うように進んでいません。その現状や今後の展望を紹介します。
関東での切り替え率2%
ガス自由化から1年経った段階で、切り替え率は全国でわずか3.9%と低調。関西電力が頑張っている大阪ガスエリアなど局地的に切り替えが活発に進んでいる地域もあるものの、例えば関東ではわずか2%と低迷しています。
1年先行して始まった電力自由化では、スタートから1年半で全国で10%を越える世帯が切り替えを行いました。それと比べてもガス自由化の動きは低調と言わざるを得ません。
新規参入が全く無い地域が多く、そもそも切り替えを検討すらできない消費者も多いです。
今後の展望は?
既にマスメディアで話題として取り上げられる機会もほぼ無くなり、人々の記憶から忘れ去られようとしているような状態ではありますが、消えかけた炎は意外としぶとく燃え続けています。
2018年にはこれまで切り替えが低迷していた関東地方にENEOS、HTBエナジー、イーレックスなどが続々と参入を予定しています。
新規参入が増えることで、再び世間の注目を集めることは無いにしても、切り替えのペースは多少上向くかもしれません。
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