ENEOSの都市ガスの口コミ・評判【料金/セット割】

「ENEOSガス」実現の可能性は?


 ENEOSブランドでおなじみ、JXエネルギーは現在のところガス自由化への参入を表明していません。同社常務執行役員の原亨氏は2017年1月22日放送のテレビ番組(NHK)の中で、「参入は検討しているが、ハードルが高い」と語っています。


 そんなENEOSの都市ガス参入の可能性について分析していきます。



総合エネルギー企業への欠かせない一歩


 ENEOSを展開するJXエネルギーは、国内の石油需要が漸減していく中で「総合エネルギー企業」への変革を目指しています。これまでの石油関連事業だけでなく、ENEOSでんきのブランド名で知られる電力小売り事業への進出など、多角化を進めています。


 ガス自由化への参入は、総合エネルギー企業への転換という戦略には欠かせないピースの一つであり、同社の参入が兼ねてより噂されていた理由でもあります。


電力で獲得した顧客網を生かした事業展開が可能


エネゴリ君?  90年代にエネルギーの自由化が行われた英国では、「デュアルフュエル契約」といって電気・ガスをセット契約する消費者が全体の7割を占めます。日本でも電力会社やガス会社を中心に、こうしたセット契約プランが人気を集めています。


 ENEOSについては、先んじて自由化された電力分野で5万件(ENEOSでんき:16年3月時点)を越える契約を獲得しています。こうした顧客網を活用することで、セット契約の拡大が可能です。


越えなくてはならない壁も


 冒頭でも紹介したとおり、ENEOSがガス自由化に参入するにあたってはいくつかのハードルを越えなくてはなりません。


多額の設備投資が必要になる


石油会社  2017年4月のガス自由化への参入企業(家庭向け)は、現在のところ片手で数えられるほどの数しかありません。


 なぜここまで参入が伸び悩んでいるのかについてはガス自由化の参入企業が増えない理由で詳しく解説していますが、その要因の一つに「卸市場が開設されていない」という問題があります。


 卸市場というのは、新規参入企業を始めガス小売り会社がガスを調達する上で必要な取引市場です。電力自由化では、自社で発電設備を持たない中小の企業も卸市場などから調達することで、電力自由化へ参入することが出来ています。しかし、ガス自由化ではその手が使えません。


 卸市場での調達ができない以上、自社でガスを調達するしか顧客にガスを届ける方法がありません(企業同士の直接契約も可能性としてはゼロではない) したがって、現在の参入企業はすべて、従来から火力発電のために大量のガスを扱ってきた「大手電力会社」に限られています。


 ENEOSも大手電力と同様に、ガスの取り扱い量は多いです。当然、ガスの積み下ろしに必要なLNG基地も保有しているのですが、首都圏や関西圏といった大消費地にガスを供給するのには適さない場所にあるため、既存の施設を活用することが難しい状況です。


 LNG基地を新たに首都圏に設置するにしても、投資額は数百億円以上。ガス自由化が盛り上がりに欠ける中、多額の投資をするのは難しいのでしょう。


保守点検業務への対応


 ガス小売り自由化に参入する企業には、顧客の家庭内のガス設備の点検が義務付けられます。既に参入を表明した企業はガス会社と手を組むことでこのハードルを越えていますが、ENEOSについても同様にどこかのガス会社と提携する必要があります。


電気の契約の伸び悩み


 ガスより1年早く自由化がスタートした電力分野は、関係者が期待していた程の盛り上がりに欠ける状況が続いています。ENEOSでんきについても、以前はCMを頻繁に流していましたが、最近は企業CMの中でも全く触れなくなっています。それもそのはず、当初の「3年以内に50万件の獲得」という目標の達成は、非常に厳しい情勢であるものと思われます。


 電気の契約獲得が順調であれば、既存顧客網を活用してガスを売り込むことも可能でした。しかし、電気の契約が5万件(16年3月時点)という状況では、それもあまり期待出来ません。まずはENEOSでんきのテコ入れが急務です。




関連記事


ガス小売会社の一覧&ランキング

ガス会社の一覧を紹介する予定です

都市ガス小売自由化とは?

ガス自由化の制度をわかりやすく解説します

都市ガス自由化を知る

ガス会社の比較

参入企業一覧